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笑いの12段活用
あちこち原稿
 毎月最終水曜日毎日新聞夕刊掲載

刊笑いに生アクセス NO.22  2006/01/25

「いわゆる落語」からの逸脱
 寄席には出ないので、のべ一ヶ月とは言わずとも、たとえ5日間でも続けて同じ高座に上がり続ける習慣のない立川流の弟子志の輔にとって、このたびのパルコ一ヶ月公演は実り多いものになった。
演劇舞台ならではの目で楽しませる仕掛け、いまに生きるテーマを元に組み立てられた新作落語の嵐、そしてなによりの収穫は、仕掛けはあくまでも仕掛けにすぎない、勝負の本命は落語、いや落語家である、ことを存分に知らしめたことだろう。
従来のブランドであるいわゆる落語世界から逸脱しなければ新規な枠組みは誕生しない。
ふと気が付けば、立川流の寄席知らず第一号としての宿命を果たしていた。
スタッフを抱え一人落語家座長としてさらに鉄骨を補強、次なる新たな自分空間の設計に入る道筋ができた。
落語界にいながら、知っていて当然の落語ルールに縛られず、自由奔放に物語を作り続けるのは三遊亭白鳥。
これがやれたら名人と落語通さえめったに聞けない演目「鰍沢」を叶姉妹も登場する「越後鬼ころ沢」に、「死神」は宇宙規模に飛翔、「時そば」は「(鳥の)トキそば」に、男のあだなから名付けられた落語「らくだ」は本物のらくだの死体が行ったり来たりする話に姿を変え、落語ファンをそんな改編で喜ばせるかと思えば、実録もの「青春残酷物語」や「お見立て」、浪曲もどきも入る「任侠流山動物園」、人間以外になる「コロコロ」「台所の隅」と幅の広さで群を抜く。落語界の治外法権。
方や、外目には今までの落語の真ん中を歩んでいそうで、周波数の違う波を内側からじわじわ送り続けるのは柳家喬太郎。
かつては信じられた感情を自分が得心いくよう現代人の心理に置き換えることによって、そのままだと浮世離れしがちな人物をぐっと身近に引き寄せ、落語を蘇らせる。新作を多く手がけてきたのは伊達じゃない。
いま流行の懐かし話を逆の視点から描いた林家彦いち「長島の満月」は、普遍性を兼ね備えた青春落語05年誕生の傑作。
06年、さらに落語はオンリー・ワンの世界へ。

■落語の概念ぶっとびライブ■
三遊亭白鳥独演会ファンタな夜 3月27日。
出演=三遊亭白鳥 ゲストにあべあきら
東京芸術劇場小ホール2(東京・池袋)03-5785-0380夢空間 発売予約開始
モロ噺 2月28日。出演=モロ師岡。サラリーマン落語「天狗裁き」、コント「お父さんの手紙」
上野広小路亭。03-3375-3788リアクション
 

 
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