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過去のお笑い漂流記へ
笑いの12段活用
あちこち原稿
 毎月最終水曜日毎日新聞夕刊掲載

刊笑いに生アクセス NO.41 2007/9/26
毎日新聞夕刊掲載 ネット版

撮影:藤倉明治

アホで知的、だるま食堂

まわりでダジャレを連発する女性はいますか?
受けて笑う女性はいても、ダジャレを口にする女性はあまりいないはず。
似通っているのにまるで違った意味になる言葉のおかしさを表現するダジャレは、きわめてストイックかつ男性的なな頭脳回路じゃなかろうか。
「モナリザの微笑」をもじって「オザナリの微笑」、「男と女」をもじって「お床と女」。
これ、両方とも、女性3人のコントユニットだるま食堂のソロライブタイトルです。
バッカだなあ。嬉しくなってしまう。
女性が3人寄ってたかって、こんなアホなことを考えている風景を想像しただけで頬がほこほこしてきます。
芸歴20年以上のいい大人だからこそこれがやれる。
営業ネタに、ボインボインショーというのがあるが、おおげさな3原色カツラに、でかいつけ胸、つけ尻、つけまつげ、黒のミニワンピースで3人が現れると、たいていのお客は度肝を抜かれる。
悪趣味、と言われても文句は言えない。
ところが、このスタイルでダジャレコーナーが始まると、悪趣味が一回転して高尚な趣味に見えてくるから不思議だ。
笑いが価値観を反転させる好例。
視覚的には極めて官能的なのに、発する言葉の内容はストイックな感性を必要とするダジャレナンセンス。
過剰と過少、このギャップに、私たちはやられる。
男の専売特許であったナンセンス笑いがとうとう女性の手に。感慨深い。時代だ。
男と女の間に横たわる深い溝はこんな一笑いで解消しやしまいか。
知的で上品ゆえにできるバカ風情。
笑いは自分を放り出す術。「自己」を肌から1ミリたりとも放せなかった女性が、笑って自分を放り出す。
元気に生きてく術でもある。
ゴスペルソングふうに「ウンコやウンコ〜」ときれいにハモって笑いをとるなんて、なまなかの女性にゃあできません。
暗転、スポットの真ん中で、気軽ななめくじと殻を背負うかたつむりが、サティの曲をバックに人生を語り合うなんて、最後は塩をかけられてはかなく溶けていくなんて。
一方、嫁と姑、献血、誘拐犯、ゴミ捨て、長屋国旗制定、なんてベタネタ、時事ネタもやれてしまうレパートリーの広さ。
奇跡的に存続する希少お笑い女性ユニットを根絶やしにしないよう、初のロングラン公演を私たちは見に行くべきである。
行けない人は初DVD「だるま食堂のDVD大作戦」を見るという手もあるが。
■だるま食堂てんこもり■
「お床と女」10月23日〜28日 下北沢「劇」小劇場 
問:03-3466-0020ぷれいす http://www.place-net.co.jp
「だるま食堂のDVD大作戦」03-4500-5112だるま食堂案内所

 
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