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お笑い漂流記 129 2003 12 24
笑いの底力

 暮れのお約束落語と言えば「芝浜」。
 酒飲みのぐうたら亭主を、体を張った嘘で更生させる女房の物語。
 どん底の日々も過ぎ、おだやかな暮れを迎える夫婦の日常会話が、女房の告白によって一転、緊迫したものになる。
 この落語を初めて聞く人は、亭主と同様、演者にだまされていたりもするので、あ、と息をのむ瞬間。
 しかし、亭主はそもそもなぜ自堕落になっていたんだろう?
自分に嫌気がさして落ちるところまで落ちようとした男が、情けない夢まで見た自分にまたもや嫌気がさして、でも今回は一念発起して働きだしたのはなぜ?
女房の愛、というより気迫に気圧されたから?尋常ならざる気配に甘えを捨てた?
 こんな男の前半部分をやらせたら桂三木助の右に出る者はいなかったんじゃないか。
2年前の正月、43歳で自らの命を絶った彼を描いた吉川潮著「わが愛しの芸人たち」(河出書房新社)は、痛い。
 男のダメぶりがあってこそ後半が生きる「芝浜」
三木助が死の直前に振り返り、更生男をやりおおせたら、たいした「芝浜」になったろうに。
 22日、林家たい平「芝浜」で、浜で拾った財布を返したくないばっかりに、財布も海からのもらいもの、魚とおんなじ、という理屈に感心。
 そういうことを思いつきそうな奴なんですよね。
 言葉一つで登場人物に寄り添う気にさせる落語は、やり甲斐あると思うなあ。
 信頼感あふれるあったかい気持になって、新たな正月を迎える、という暮れにはぴったりの落語です。
 現実に比べて、ノーテンキな気もするんだけどさ。だまされてもいたいじゃない、ねえ。
 今年、連れ合いを亡くされたコラム読者Kさんは「生活に色どりを笑いをと、私に合った笑いをみつけるべくいろいろ訪ねまわっております・・・・でも、隣席の人はハンカチで涙をふきながら笑っているのですが、私はなかなか腹から笑えないのです」
こうおっしゃりながらも70歳を迎えるKさんのお笑い行脚は続きます。
 来年こそ、いい出会いがありますように。
 さて、今回はこんな試みを。漫才師でありながら、司会・バラエティに大活躍の爆笑問題太田光「パラレルな世紀への跳躍」と浅草キッド「お笑い男の星座2」読み比べモニター3名様募集です。
 いままさに現場で笑いに関わっている人たちの文章のうまさと言ったら!舌を巻きます。
 果敢な挑戦待ってます。
 もう一つは、来年1月9日(金)7時開演「清水ミチコのお楽しみ会」草月ホールモニター3名様。
 〒100−8051毎日新聞とうきょう支局。本もしくはミチコ係までお葉書で御応募を。締め切りは両方とも25日(当日消印有効)
 暮れから正月、健康一番!よい時間を!
 
 
 
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